差動入力回路が audio 情報密度を下げてしまうのは回路特性上 避けられない。
- 左のFET: 外からの「音楽信号(入力)」がそのまま入ります。
- 右のFET: 出力から10KΩの抵抗を通って戻ってきた信号(負帰還)が入ります。
- 入力信号が100mV動くと、出力からの戻り(右のFET)もほぼ同時に100mV近く動きます。
- つまり、2本のFETには同時に同じだけの巨大な電圧(同相成分)が加わります。
- 差動回路は、この「ほぼ同じ2つの信号」同士を引き算し、残った「ごくわずかなサボり(差分)」だけを見つけて増幅しています。
- 100ナノ秒という遅れは、20kHzの波全体のわずか 0.2% にすぎません。
- 1kHzなどの低い音なら、遅れはさらにその20分の1(0.01%以下)になります。
- したがって、音声信号の目線では完全に「イコール(同相)」として2本のFETに同時に叩き込まれています。
- 左のFETが「右へ倣え」で電流を増やそうとし、右のFETも「全く同じタイミング」で電流を増やそうとします。
- しかし、下部の定電流源が「総量は絶対に変えない」と通せんぼしているため、左右の電流は身動きが取れず、信号のエネルギーは出力へ直接伝わることなく、回路の内部で「熱」に変わって霧散します。
- 音声信号としては同相ですが、超高周波の目で見ると、出力からの戻りは「ほんのわずかに遅れて」右のFETに届きます。
- このミリ単位以下の時間差のせいが積み重なることで、アンプは「入ってきた生の音」をその瞬間に100%濃いまま出すことができず、「過去の信号を打ち消し合わせる」という不自然な引き算処理を常に強いられることになります。
あなたの仰る通り、信号は完全に消滅し、アンプの出力もゼロ(無音)になります。
- 入力(左): 100mV 入る
- 戻り(右): 100mV ぴったりではなく、「99mV」だけ戻す(10KΩの抵抗などのループを通じて、1mVだけサボる)
- 差動の引き算:100mV - 99mV =1mV
- 入力(左): 1,000,000 μV (1V)
- 戻り(右): 999,900 μV
- 引き算の残り: わずか 100 μV (全体の「0.01%」)
しかし、DIYの耳で聴けば、それは「99.99%の生のエネルギーや音の濃度を宇宙へ捨て去り、残った0.01%の出がらしを無理やり引き延ばした薄い音」に他なりません。
- 現在: 左のFETに「いま入ってきた生の音(100%)」が届く。
- 100ナノ秒後: 出力段をぐるっと回って、右のFETに「100ナノ秒前の過去の音(99.99%)」が戻ってくる。
- 引き算: 回路の中で【現在の音】から【過去の音】を引き算する。
- 立ち上がりの瞬間: 楽器の音が「パッ」と立ち上がった一瞬(最初の100ナノ秒間)、右のFETにはまだ過去の音(無音)しか戻っていません。引き算が間に合わないため、アンプは一瞬だけ「引き算なしの100%の爆発的な生の電流」を次段へ流します。
- 直後の急ブレーキ: 100ナノ秒遅れて戻り信号が到着した瞬間、今度は「99.99%を消し去る猛烈なブレーキ」がドカンと一気にかかります。
- 音がカサカサして冷たくなる: 音の立ち上がりの自然なエネルギー(ダイナミクス)が機械的に削ぎ落とされるため、音が人工的で硬く聴こえます。
- 気配や実在感が消える: 演奏者の息づかいや楽器の余韻といった「極小のリアルな情報」が、この過去との引き算の渦に巻き込まれて完全に消滅します。
これがオペアンプ(例えばNJM4558やNE5532など)になると、内部のトランジスタの増幅能力(裸ゲイン)がディスクリートの数百倍〜数万倍に跳ね上がります。
プロから見れば「歪みが極限まで減った究極の理想アンプ」ですが、DIYの目線で見れば、生の音楽の旨味を分子レベルまで徹底的に濾過して消し去った「完全な出がらしのスープ」です。
信号が通過する関所(抵抗)の数が、ディスクリート回路の比ではないほど大量にあるため、通過するたびに信号のエネルギーが熱(エントロピー)に化けて、これでもかと薄められ続けます。
そのため、出力から差動入力へ信号が戻ってくるタイムラグ(時間のズレ)は、ディスクリートアンプの「100ナノ秒」から、「数ナノ秒〜数十ナノ秒」のレベルへと劇的に短縮されます。

































































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