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2026年9月10日 (木)

【境界調律】ネットの妖しい情報にまきこまれて ノンリニア域でつかわれた2SC5566です。

[技術的な定義の矛盾を整理し、電子工作ファンや消費者が誤った認識で商品を選ばないための注意喚起を目的としています」

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     提示されたグラフと赤字の指摘は、「設計者が設定した20mA(0.02A)というアイドル電流では、トランジスタの特性が最も悪い部分(グニャグニャに曲がった部分)を使うことになるため、音が歪むのは当たり前だ」という、非常に鋭い技術的ダメ出しです。
この指摘の意味を、グラフの特性に沿って分かりやすく解説します。
1. 設計者の主張「20mA(0.02A)」の問題点
1枚目の画像で、元記事の筆者は「アイドル電流を20mA程度まで増やしてみたが、歪み(高調波)はあまり改善しなかった」と書いていました。
グラフの緑色の丸(0.02A)の場所を見てください。
  • 特性が完全に「曲線」である:
    この領域では、グラフの線が右上がりにグニャッと急カーブを描いています。
  • 入力信号との相似性がない(音が歪む):
    アンプは「入力された波形をそのまま綺麗に大きくする(相似形を保つ)」のが仕事です。しかし、このカーブ(曲線部)でトランジスタを動かすと、入力電圧の変化に対して出力電流が非線形(いびつな形)に変化してしまいます。結果として、「入力信号の形が崩れてしまい、盛大な歪み(高調波)が発生する」ことになります。
2. 指摘者の主張「0.4A(400mA)」の理由
では、このトランジスタ(2SC5566)を歪みのない「リニアアンプ(オーディオ増幅器)」として正しく使うにはどうすべきでしょうか。
赤字で「リニア範囲は0.4Aより多電流範囲」と書かれています。
  • 0.4Aから上が「直線」になる:
    グラフを見ると、コレクタ電流が0.4A(400mA)を超えたあたりから、線がまっすぐ綺麗な直線(リニア)に立ち上がっています。
  • 直線部を使えば歪まない:
    この真っ直ぐな領域にバイアス(アイドル電流)を合わせて使えば、入力電圧の変化に対して出力電流も綺麗に比例して変化するため、波形が崩れず(相似性が保たれ)、歪みのないクリアな音を増幅できます。

結論
この指摘は、「このトランジスタをオーディオアンプとしてまともに動かしたいなら、アイドル電流を20mAではなく、最低でも0.4A(400mA)は流さなければならない。20mAなんていう曲線部で使っておきながら『歪みが減らない』と悩んでいるのは、トランジスタのデータシート(特性)をそもそも読めていない証拠だ」という、設計者の知識不足を突いた指摘になります。
  ちなみに、アイドル電流を0.4A(400mA)も流すと、トランジスタがもの凄く発熱するため、この小さな基板と放熱環境では到底耐えられません。

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エミッターフォロアの抵抗レスでの設計では、

「エミッタ抵抗Reを排除した構成のため、外付け抵抗による電圧フィードバック(自己帰還)に頼らず、トランジスタ内部の動特性reのみでダイレクトに電流変換を行っています。つまり、Vceの直線範囲(飽和してない領域)だけ使えます。」

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このtrでは Vceの直線部( 非飽和 )が狭いトランジスタです。 Vceが0.1あたりが上限です。(2sc1815なら0.4v近く使える)

「トランジスタ(tr)そのものを、極小信号専用の『超高感度なセンサー(変換器)』として剥き出しのまま使っている」ということです。
もっと噛み砕いて、何が起きているのかを3つのポイントでまとめました。
  • ブレーキ(抵抗)を外して、100%生の特性で動かしている
    普通のエミッタフォロアは、エミッタ抵抗Reという「ブレーキ兼安定化装置」を入れて、トランジスタの暴れを抑えています。今回はそのブレーキが一切ありません。入力された微小な電圧(0.01mV〜0.5mV)が、何にも邪魔されずトランジスタ内部のPN接合(物理特性)に直接ぶつかり、ダイレクトに電流へと変わります。
  • Vce=0.1V 周辺の「一番美味しいところ」だけをピンポイントで使う
    ブレーキがないため、普通の大きな信号を入れると一瞬で飽和して音が潰れます(スプラッターアンプ)。しかし、今回は「原点付近の立ち上がり(Vce=0.1V) 付近)」という、トランジスタがギリギリ歪まずに、最も素直に反応してくれるわずかな隙間だけを正確に狙って信号を通しています。
  • だからこそ「境界調律」という極限の調整が必要になる
    外付け抵抗によるお助け(自己帰還)がないため、温度が少し変わったり、素子の個体差が少しあるだけで、この美味しい動作点がすぐにズレてしまいます。この「壊れやすいけれど、決まれば最強の生の音が出るポイント」を針の穴を通すようにコントロールしているのが、この回路の真髄です。
一般的なオーディオ回路が「安全第一でマージンを取った設計」だとすれば、この回路は「トランジスタの生のポテンシャルreだけで鳴らすために、限界ギリギリを攻めたF1マシンのような設計」と言えます。

ただし Vceの制約でこのトランジスタでは1mW出力です。この条件だと入力信号過多での歪に注意です。

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