選別」という名の格付け: 同じラインで作られた石でも、たまたま特性が良かったものを「Aランク」や「軍用規格」として高い値段で売り、残り「並」の個体を汎用品として民間に流します。 インテルのICですね
- Core i9: 完璧な仕上がりで、高電圧・高クロックに耐えるエリート。
- Core i5 / i3: 回路の一部に欠陥があったり、高速動作で不安定になったりしたため、機能を一部無効化してクロックを落としたもの。
これをオーディオ用オペアンプに置き換えると、takinxさんが手にしているセラミックパッケージ品や軍用規格(SE規格など)は、Intelでいうところの「選りすぐりのi9」のような存在です。
- Intel(全品検査・格付け):
- 思想: 「1枚のウェハーから取れるチップは、すべて金に変える」。
- 手法: 全チップを検査し、動くクロックの上限を見極めてからレーザー(あるいは電子ヒューズ)で「君はi5だ」と焼き付けて出荷します。
- ライバル(AMDなど):
- 初期の手法: Intelほどテスターの物量がない時代は、ウェハーの何箇所かを代表して測り、良好なウェハー全体を「高クロック用」として流すような、より統計的な手法に頼らざるを得ない時期がありました。
- 「焼き(トリミング)」の差: Intelがチップ内部のヒューズ(電子トリミング)を駆使して「後から性格を決める」のに対し、ライバルは「設計通りの性能が出るか否か」の勝負に近く、Intelに比べると「個体ごとの限界をねじ伏せる」力業では一歩譲る印象がありました
*************************************************************
- コア復活: 4コアのうち1コアを無効化して3コアとして売っていたものを、ユーザーがBIOSで制限を解くと4コアで爆速で動く、なんていう「お遊び」ができたのもAMDならではでした。
- Intel的: ADIやTIの高級石(全数レーザートリミングで、データシート通りにビシッと揃える)。
AMD的: 基本設計の良さで勝負し、個体ごとの「化け」を楽しむ。トリミングレスでも、当たり個体(セラミック品など)を選べば、高級石を超えるキレを見せる
Q:JRCは、 車速センサーを世界最初にうりだした。 往時は90%シェア。
- 車速センサーは、磁石の回転による微小な変化を拾い、それを車載コンピュータが読み取れる綺麗な「四角い波形」に整形します。
- この波形整形(コンパレータ)の部分に、まさにJRCが得意とするオペアンプ技術が投入されていました。
Q:でもBOSCHにまけたの
- 「単体センサー」から「システム」への統合
JRCは最高の「車速センサー」を作りましたが、BOSCHはABSやESC(横滑り防止装置)という「システム全体」を自動車メーカーに売り込みました。システムを買うならセンサーもBOSCH製、という「抱き合わせ」の力業に、単体部品メーカーのJRCは抗えませんでした。
2デジタル・インテリジェンスの導入
BOSCHは、takinxさんが先ほど仰った「3ミリ秒のOS遅延」や「現場のトリミング」を、デジタル演算(DSP)による補正で解決しようとしました。アナログの「ゼロ点」を焼いて出すJRCに対し、BOSCHは「ズレていてもソフトで補正すればいい」という、欧州らしい合理的なデジタルシフトでコストと柔軟性を勝ち取りました。
3:世界規模の標準化(デファクトスタンダード)
BOSCHは自社の仕様を「世界の標準規格」にすることに長けていました。
オランダ PHILPSも規格ではうまいよ
- 「140MHzの精度」や「4,000万円のトリミング」を競う前に、「PHILIPSのバスに乗らないと基板が組めない」という状況を作ったわけです。
- それまでの「工場でプレスする(Red Book)」世界から、現場や個人で「レーザーで色素を焼き付ける」世界へと変わりました。
- これこそが、物理的な「円盤」というフォーマットにおける、実質的な最終進展でした。
- しかし、皮肉なことに「焼き付け」ができるようになったことで、データのコピーは容易になりましたが、ジッター(時間軸の揺れ)の問題は深刻化し、アナログ的な「音の良さ」の追求はここで袋小路に入ります。
- つまり、1993年のCD技術の成熟は、「これ以上この円盤を弄っても、もう伸び代がない(物理限界)」という結論が出た瞬間でもあったわけです。
- しかし、皮肉なことに「焼き付け」ができるようになったことで、データのコピーは容易になりましたが、ジッター(時間軸の揺れ)の問題は深刻化し、アナログ的な「音の良さ」の追求はここで袋小路に入ります。
ジッターはゼロにならないが、どう逃げたの?
- 逃げの策: DVD世代では、読み取ったデータを一度巨大なメモリ(FIFOバッファ)に放り込み、そこから別の独立したクロックで読み出す方式が標準になりました。
- これにより、ディスクがガタつこうが、読み取りレーザーが揺れようが、最後に出る信号のジッターは「バッファ出しクロック」の精度だけで決まる……という、「回転系の物理精度を放棄する」道を選んだのです。
- 逃げの策: 多少の読み取りエラーやジッターがあっても、強力な計算力で「正しい値を推測・復元」してしまえばいい。
- 逃げの策: パソコン界隈の技術を取り入れた「EFMPlus」などのより高度な変調を採用し、多少時間軸が揺れても「0か1か」の判定ミスが起きにくい仕組みに変えました。
- ポスト処理の闇: 内部のDSP(デジタル信号処理)やソフトによって、「このメーカーらしい低音」「この機種らしい解像度感」という、意図的な色付け(演算による化粧)が施されます。
- ジッター隠しの代償: ジッターやエラーをメモリと計算でごまかした際、失われた「生っぽさ」を補うために、人工的な倍音やエコーを足しているケースすらあります。
2. 「真値」が置き去りにされた世界
- だからこそ、端末ごとに音がバラバラになり、「送り手が届けたかった本当の音」がどこにも存在しない、という奇妙な状況が生まれています。
Q:だから 再生側ソフトのVER UPが携帯電話であるんだ
- 物理的な基板や配線、コンデンサは何も変わっていないのに、ソフトのVer UPで音が変わる。これは、本来の「真値」を再生しているのではなく、「メーカーがその時々の流行りや好みに合わせて色を塗り替えている」だけなんです。
- 今のメーカーは、物理的な追い込み(ノイズ対策や電源の安定化)をサボっても、「後からソフトでごまかせる(色をつけられる)」という「逃げ」の構造に依存しています。だからこそ、未完成な音のまま出荷し、アップデートでお茶を濁すことが常態化してしまいました。
Q:よく知ってるね。MP3?のアルゴリズムが上手いのは どこのソフトハウス?
- 特徴: 聴覚心理学に基づいたアルゴリズムの基礎を作りました。「人間が聞き取れない音を間引く」という、ある種「物理的な真値」を最も合理的に削ぎ落とす手法において、彼らの右に出るものはいませんでした。
- ソフト: かつての「L3ENC」や、初期のWindows Media Player、iTunesのエンジンなど、多くの商用ソフトにライセンスを提供していました。
- 特徴: 世界中の熱狂的なエンジニア(ボランティア)たちが、数十年かけて「どうすれば圧縮してもオリジナルに近い艶(つや)を残せるか」という一点に執念を燃やして磨き上げました。
- 上手さの理由: VBR(可変ビットレート)の制御が非常に巧妙で、激しい音の立ち上がり(まさにtakinxさんが重視するスルーレートが必要な場面)でも、破綻させずに情報を詰め込むアルゴリズムが極めて優秀です
- 「スカスカ」を「パンパン」に見せる
MP3やVBRでデータが間引かれ、音の「芯」や「余韻」が失われても、ソフト側でコンプレッサーを強めに掛けて全体の音量を持ち上げれば、一見(一聴)、パワフルで情報量が多いように錯覚させられます。 - 端末ごとの「Ver UP」の正体
スマホのアップデートで「音が良くなった」と感じる正体の多くは、このコンプレッションのアルゴリズムやリミッターの閾値をいじって、「派手で耳当たりの良い音」に書き換えているだけです。 - 真値(リニアリティ)の放棄 ソフトコンプレッションはあえてそのリニアリティを捨てて、「狭い箱の中に音を詰め込む」作業です
Q:今の音響ソースと再生手段、とくにソフトにここまで批判して大丈夫?
最大多数の最大幸福」のためのソフト
スマホのVer UPやコンプレッションは、劣悪なリスニング環境(騒音下や安いイヤホン)でも「それなりに良く聴かせる」ための、メーカーなりの苦渋の決断であり、高度な知恵でもあります。これはこれで「正解」の一つです。
Q:音を聴き分けるチカラが人間からきえていくよ
人間から「聴き分けるチカラ」が消えていく背景には、いくつかの残酷な理由があると感じます。
Q:騒音性難聴が率として増えていた記憶だ
- 耳への負担: 本来、音楽には「静寂(休まる時間)」があるべきですが、コンプレッションされた音は、常に耳の細胞(有毛細胞)を叩き続けます。これが、自覚のないまま耳を酷使し、難聴を加速させました。
- ソフトのVer UPの弊害: 低音をソフト的に強調(ブースト)する設定が流行ったことで、さらに耳への物理的なダメージが深刻化しました。
- 微細な「真値」を聴き取るためのセンサー(耳)そのものが壊れてしまえば、どれほど良いアンプや真空管を持ってきても、その違いは伝わらなくなってしまいます。
耳の奥にある有毛細胞は、コンプレッションされた「音圧の壁」を聴き続けると、休む暇がなくなり、まさに「オーバーワークによる窒息」を起こしてしまいます。 ほどよい休憩が必要です



最近のコメント