多種類リンク

« どうしてこうなるの?????   【境界調律】「Innocent Key」「俺だけ音質アップな基板」 | メイン | 【境界調律】「Innocent Key」「俺だけ音質アップな基板」のC級動作疑惑を追う。 まとめ。  オペアンプの音の差が消える? 再掲 »

2026年9月13日 (日)

NE5532が無信号時に微小電流を流下するので後段はCLASS AB 可能

「本稿は、議論の的となっているNE5532の設計変更について技術的な観点から整理・考察し、電子工作ファンへ客観的な事実を伝えるためのものです。
****************************************************************
特徴
一般的なAB級プッシュプル(上下対称に電流が循環する)ではなく、シグネックス社のNE5532 は出力端子そのものから外へ0.1mAが流れ出る(流下する)特殊なバイアス構造(変態設計)になっています。
なぜそのようになるのか、オリジナルの内部回路(等価回路)の仕組みは以下の通りです。
無信号時に出力端子から0.1mAが流下する理由
オリジナルの等価回路を見ると、出力段の最下部(V-側)に、出力トランジスタを駆動するための約100μA(0.1mA)の定電流源トランジスタ」が配置されています。
  1. 無信号(0V)のとき
    この下側の定電流源が、常に「0.1mAの電流を下に引っ張ろう(吸い込もう)」と待ち構えています。
  2. 電流の供給元
    しかし、出力段の上側にあるプッシュプル用のトランジスタ(ダーリントン接続されたエミッタフォロア)は、この下側の吸い込みに対して完全にシンク(相殺)するような対称回路になっていません。
  3. 結果としての流下
    結果として、この内部のバランス(バイアス)を保つために、出力ピン(Output)側から外部の負荷(またはグラウンド)に向かって、約0.1mA(100μA)の電流が文字通り「流下」して出ていく状態が作られます。
オーディオにおけるこの設計のメリット
この「出力から常に0.1mAが流下している」という一見奇妙な設計こそが、NE5532の伝説的な音質の良さの秘密でした。
55322
  • 上側のトランジスタも「常にオン」を維持する
    上側のトランジスタ(エミッタフォロア)は、無信号時(ゼロクロス付近)であっても完全にカットオフ(遮断)せず、常に電流を吐き出し続けるアクティブな状態(オン)に保たれます。
  • 下側のトランジスタ「常にオン」で機能している

  • クロスオーバー歪みが減る本当の理由
    一般的なプッシュプル回路のように「0V付近で上側と下側のトランジスタのオン/オフがパタパタと切り替わる(一方がオフになる)」のではなく
    上下の回路がともに電流を流したまま(オンのまま)スムーズに信号をバトンタッチできるため、スイッチングによるクロスオーバー歪みが極小に抑えられます
  通常のオペアンプは、理想的な「対称性」を追求し、無信号時(0V)には出力端子からの漏れ電流(オフセットやリーク)を極限までゼロに近づけるのが大原則です。それがオペアンプ業界の「常識」であり、教科書通りの設計です。
しかし、NE5532はあえてその常識を破り、「出力から外へ0.1mAをダラダラと流しっぱなしにする」という、オーディオの歪み低減(音質)だけを最優先した超変則的な設計を採用しました
現在のTI製の新しいチップ(RC4580のダイ流用)では、上下対称の一般的なプッシュプル回路になってしまっているため、この「出力からの0.1mAの流下(A級動作化)」の恩恵は完全に失われています。
 ***************************************************
等価回路変更点

具体的には、以下の3つの証拠から「贅沢な出力段が削られた(別の安価なICの回路に化けた)」ことが分かっています。

  1. 最新データシートから「等価回路図」が消えた

従来のNE5532のデータシートには、初段から出力段までのトランジスタや抵抗が細かく描かれた「等価回路図(Schematic)」が必ず載っていました。そこを見れば、出力段に微小電流(ご指摘のあった0.1mAのバイアス)を流すための回路構成がひと目で確認できました。
しかし、TI社が回路を刷新した最新のデータシートからは、この回路図のページ自体が削除されています。これは、中身を別の回路(RC4580等)に変えたことを裏付ける大きなサインです。

  1. 回路研究者による「ダイ(半導体チップ)の顕微鏡観察」

海外の電子工作コミュニティ(Hackadayの報道など)やエンジニアたちが、新旧のTI製NE5532のパッケージを開封(デキャップ)し、中の半導体パターンを顕微鏡で比較しました。 [1]

  • 旧ロット: NE5532独自の、出力段にバイアスをしっかりかけた大型の回路パターン。
  • 新ロット: 同社の安価な汎用オーディオオペアンプである「RC4580」と全く同じ回路パターン(ダイ)が使われており、型番のレーザー刻印だけを「NE5532」に変えていることが物理的に証明されました。
  1. スペック数値の変化(辻褄合わせ)

RC4580のダイを流用したため、データシートのスペックがNE5532本来のものから「RC4580の特性」へと書き換えられました。

  • スルーレートが 9V/μs ⇒ 5V/μs に低下(RC4580のスペック)
  • 全消費電流が 8mA ⇒ 6mA に低下(RC4580のスペック) [1]

RC4580も決して悪いICではありませんが、出力段の設計はNE5532ほど贅沢に電流を引っ張る構造(無信号時0.1mAのアイドリング)ではありません。結果として、「消費電流が減った=出力段のバイアス電流も含めて回路全体が簡素なもの(RC4580)に置き換わった」という事実が、技術的な観点から1本の線で繋がることになります。

 ****************************************************

まとめ。

変態設計のNE5532だけaudio用途では後段直接続できる。後段へベース電流供給できるので、後段は信号のオーバーラップ量で CLASS B or CLASS  ABになる。

 他型番では ON/OFF生じるので完全なC級動作

5532_2

無信号時にNE5532からの流下 Ib=50uA(0.05mA)もあれば 2SC1815はアクテイブモード。

オイラは、メーカー公開の等価回路を読めておるつもりで、作図しておる。
シグネックス時代のNE5532を使ってれば音質面ではGOOD
***********************************************************************************
2026年リリースのC級動作例としてはこの商品。 等価回路を読めてれば NE5532を持ってくるわ。
 

Aso1_2

1classe1_2

Innocent_01

Ino01

Ino0122

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.dcnblog.jp/t/trackback/549708/34289617

NE5532が無信号時に微小電流を流下するので後段はCLASS AB 可能を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ウェブページ

カテゴリ

Powered by Six Apart