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2026年9月7日

2026年9月 7日 (月)

「ネットの怪しい回路図に騙されるな! トランジスタの本質をエグる『電子回路の聖書(バイブル)』がここにある」

ハーバード大学でポール・ホロウィッツ教授のつかっていたガリ版印刷を書籍にしたものですね。

Sadopoo

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今の時代、Googleで検索すれば、あるいはSNSを覗けば、個人ブログや動画サイトにエミッターフォロアやアンプの回路図がいくらでも転がっています。
「この通りに組めば動く!」
「定数はこれで一発決定!」
そんな手軽な情報に飛びついて、実際にブレッドボードに組んでみたら、なぜか高周波でキーンと不快な発振を起こしたり、計算通りのゲインが出ずに首を傾げたりした経験はありませんか?
 ネットに溢れる断片的な「怪しい回路図」や、コピペされただけの解説記事の多くは、トランジスタが持つ本当の牙――例えば、ベース・エミッタ間電圧Vbeとコレクタ電流Icの間にある「exp関数(指数関数)の圧倒的な支配力」や、そこから派生する寄生発振のメカニズムといった【本質】を隠してしまっています。だから、ちょっと条件が変わるだけで回路はへそを曲げてしまうのです。
日本の分厚い教科書を開けば、今度は「hパラメータ」や「複素数行列」といった数式の弾幕が飛んできて、回路を組む前に脳がシャットダウンしてしまう。
「数式だらけの迷路」にも迷い込まず、「ネットの怪しいコピペ情報」にも騙されない。
トランジスタの本質をこれ以上ないほどエグい角度から、しかも極めて直感的に叩き込んでくれる本物の『電子回路の聖書(バイブル)』が、実は50年以上前から存在しています。
それが、ハーバード大学の天才たちが磨き上げた伝説の名著『The Art of Electronics』です。

The Art of Electronics

pdf版はここ、Thomas-C.-Hayes-Paul-Horowitz-The-Art-of-Electronics-Student-Manual-Cambridge-University-Press-1989.pdfをダウンロード

「世界最高峰のバイブルを開いたら、エミッターフォロアなんて最初の『入門』の章でサクッと終わってた。欧米の大学が研究テーマにしない理由がよく分かった。彼らにとって、これは研究するものではなく、『知っていて当然の、ただの道具』なのだ」

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無信号時の出口に潜む『0.1pA』のプライド
日本の教科書は「無信号・無負荷ならOP AMP 出力電流は0Aだ」と数式だけで片付けます。
しかし現実の回路では、仕事を休んでいるはずの出力ピンから、内部の半導体の「リーク(漏れ電流)」が勝手に外へ染み出し、測定値を狂わせています。
『The Art of Electronics』がLF411を愛し、あのオペアンプを「優雅な吟遊詩人」

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  として描いた本当の理由はここにあります。
この石は、何も信号が入っていないアイドル状態のとき、出力ピンから外へ漏れ出す(あるいは吸い込む)不要な電流を、わずか0.1pA(ピコアンペア)という極限のゼロにまで封じ込めているのです。
1990年代、私たちが数式上の「きれいな0A」を解かされていた裏で、海外のエンジニアはこの「無信号時でも0.1pAしか漏らさない」という圧倒的な物理的ポテンシャルを信頼し、サンプル&ホールドや超精密計測回路を涼しい顔で設計していました。
 これこそが、1990年代に私たちが日本語で触れたかった、生々しくも美しいアナログ設計の本質なのです

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  • 1974年(手書きノートの時代):
    著者であるポール・ホロウィッツ教授らが、ハーバード大学の物理学科で「Physics 123」という電子回路の講義をスタートしました。当時はまともな教科書がなかったため、彼らが手書き(鉛筆書き)でガリ版刷り(コピー)した200ページほどの講義ノートが配られていました。これが本の原型です。
    [1]
  • 1980年(初版の誕生):
    その講義ノートが大学外でも大人気になり、「ちゃんとした本にしよう」ということでケンブリッジ大学出版局から正式に出版されたのが1980年10月でした。
    [1, 2]
  • その後:
    1989年に第2版、そして2015年に現在の第3版が出版され、時代に合わせて中身をアップデートしながら、現在でも世界中の回路設計者に読まれ続けています。
    [1, 2]
「本」になったのは1980年ですが、エミッターフォロアの特性などを含むベースとなる知見がハーバード大学の講義室で揉まれていたのは、まさに1970年代の真ん中ということになります。
 最近では、日本のコロナ社から出版された『物理実験のためのアナログ回路入門』(谷口敬 他共著)という書籍の著者に、ハーバード大学教授の森井政宏氏が名を連ねています
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ネットの妖しい情報にまきこまれて ノンリニア域でつかわれた2SC5566です。

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知識はただしくもちましょう。

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9784339009828

Photo

書籍紹介はここ。

NE5532の入力トポロジーをNPNからPNPにひっそりと変更。

このTexas Instruments(TI)社による定番オペアンプ「NE5532」の内部設計および仕様の大幅な変更は、世界中のハードウェアエンジニアやオーディオ設計者の間で「歴史的な大事件」として大きな波紋を広げています。 [1, 2]
長年「同じ型番(Part Number)であれば、電気的特性や内部トポロジーは互換性が保たれている」という前提で設計してきたエンジニアリング業界にとって、今回の変更はまさにその信頼を揺るがす警鐘と言えます。
 
🛠️ 何が起きたのか?(主な変更点)
TI社は、製造ファブ(工場)の移行やプロセスノードの変更(コスト削減とレガシープロセスの廃止)に伴い、型番(NE5532 / NE5532Pなど)を変更しないまま、中身を実質的にまったく別の新しいオペアンプへと刷新しました。 [1, 2, 3]
特に深刻視されている主な変更点は以下の通りです。
  • 入力トポロジーの変更(NPNからPNPへ): 指摘されている通り、従来のNPN差動入力からPNP入力ペアへとひっそり変更されました。これにより、入力バイアス電流の流れる向き(極性)が逆になり、周辺の回路設計によっては予期せぬオフセット電圧の発生や動作不良を引き起こします。 [1, 2]
  • 入力特性のシフト: NPNからPNPへの変更に伴い、オペアンプが正常に動作できる入力電圧の範囲が負電源(V-)側へとシフトします。入力ピンからdc流下します。上流のop amp とは直結無理。
  • 入力保護ダイオードの削除: 従来のNE5532の特徴であった、入力端子間の保護ダイオードがなくなっています。 [1, 2]
  • 絶対最大定格の低下: 従来の ±22V から ±18V(推奨はさらに低い±15V)へと引き下げられました。プロオーディオ機器などで±18V超のレール電圧(例: ±20Vや±21V)で運用していた回路に新しいTI製チップを載せると、最悪の場合破損します。 [1, 2]
  • スルーレートの半減: 9 V/μs から 5 V/μs へと大きく劣化しました。 [1, 2]
  • 歪み率(THD)の悪化: 特定の高周波領域(20kHzなど)において、THDが従来の設計に比べ数倍悪化していることが報告されています。 [1]
  • データシートからの規定削除: 600Ω負荷駆動時の出力電圧振幅や、出力インピーダンス、クロストークなどの重要なプロオーディオ向け仕様がデータシートから削除、あるいは弱体化されました。 [1, 2]
⚠️ なぜこれが「業界の警鐘」なのか?
通常、ここまで致命的な特性変更やピン互換性を損なう設計変更を行う場合、メーカーは「新製品(別型番)」としてリリースするか、末尾に明確なバージョンを付与するのが不文律でした(TI社自身も別製品ではそうしています)。 [1, 2]
しかし、数十年もの間「業界の標準的なジェリービーン(汎用)部品」として広く使われ、数え切れないほどの機材に組み込まれてきたNE5532でこれをやってしまったため、以下の深刻なリスクが生じています。 [1, 2]
  • 既存製品の修理リスク: 過去に製造された音響機器の修理やメンテナンスのためにTI製のNE5532を調達して交換すると、最悪の場合、発煙したり音が著しく劣化したりする。
  • 調達の一貫性の崩壊: 工場が部品を自動で補充する際、型番が同じであるため自動的にこの「新仕様(実質別物)」に置き換わってしまい、出荷前検査まで不具合に気づけない。
  • SPICEモデルの不一致: 既存のシミュレーション環境と実物の挙動が全く異なってしまう。 [1]
同様のサイレント修正や仕様ダウングレードは、TI社の他のレガシー製品(OPA134やLMH6518など)でも指摘されており、コミュニティ(EEVblogや各種DIYフォーラムなど)を中心に強い批判が集まっています。 [1, 2]
💡 今後の対策と代替案
もし現在、NE5532を組み込んだ回路を設計・維持されている場合は、以下のステップで対応を検討することをお勧めします。
  • セカンドソース(他社製)への切り替え: 幸いにも、onsemi などの他メーカーは、現在もオリジナルの仕様(±22V耐圧、NPN入力など)に準拠したNE5532を製造し続けています。TI製を避け、他社製を指定して調達するのが最も手軽な回避策です。
  • より現代的なオペアンプへの置き換え: 新規設計であれば、これを機に OPA1642(JFET入力)やLM4562など、現代のより優れたオーディオ用オペアンプへの完全な移行を検討するタイミングかもしれません。


YouTube: EEVblog 1752 - Texas Instruments SCREWED UP the NE5532!

NE5532は無信号時に微小電流(100uA)を出力流下する。直結後段はCLASS A 可能

「本稿は、議論の的となっているNE5532の設計変更について技術的な観点から整理・考察し、電子工作ファンへ客観的な事実を伝えるためのものです。
 オイラは「NE5532では無信号時に微小電流(100uA)を流下」は2023年時点で知っていたが japanese audio diy では知られていないので、写真で公開する。

P1010012

測定は下の基板を使った。 ブートストラップ抵抗端の電位を診た。

5532x

P1010022

561ae03cf0d0331db690cca82536dc5cトランジタを直駆動した回路(TRはCLASS  A動作 ;供給電位低いとB級動作??)

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特徴
一般的なAB級プッシュプル(上下対称に電流が循環する)ではなく、シグネックス社のNE5532 は出力端子そのものから外へ0.1mAが流れ出る(流下する)特殊なバイアス構造(変態設計)になっています。
なぜそのようになるのか、オリジナルの内部回路(等価回路)の仕組みは以下の通りです。
無信号時に出力端子から微小電流0.1mAが流下する理由
オリジナルの等価回路を見ると、

55322_3

  1. 無信号(0V)のとき:
    出力段の下側では、常に「0.1mAの電流を下に引っ張ろう(吸い込もう)」とする回路が待ち構えています。
  2. 電流の供給元:
    しかし、出力段の上側にあるプッシュプル用のトランジスタ(ダーリントン接続されたエミッタフォロア)は、この下側の吸い込み(シンク)に対して、完全にバランスが取れるような対称回路になっていません。
  3. 結果としての「にじみ出し」:
    結果として、この内部のアンバランス(バイアス)を保つために、出力ピン(Output)側から外部の負荷(またはグラウンド)に向かって、約0.1mA??(100μA)の電流が文字通り「ソース電流」として常に外部に溢れ出ていく状態が作られます。
オーディオにおけるこの設計のメリット
この「出力から常に0.1mAが流下している」という一見奇妙な設計こそが、NE5532の伝説的な音質の良さの秘密でした。
 
  • 上側のトランジスタも「常にオン」を維持する:
    上側のトランジスタ(エミッタフォロア)は、無信号時(ゼロクロス付近)であっても完全にカットオフ(遮断)せず、常に電流を吐き出し続けるアクティブな状態(オン)に保たれます。
  • 下側のトランジスタ「常にオン」で機能している:

  • クロスオーバー歪みが減る本当の理由:
    一般的なプッシュプル回路のように「0V付近で上側と下側のトランジスタのオン/オフがパタパタと切り替わる(一方がオフになる)」のではなく
    、上下の回路がともに電流を流したまま(オンのまま)スムーズに信号をバトンタッチできるため、スイッチングによるクロスオーバー歪みが極小に抑えられます
  通常のオペアンプは、理想的な「対称性」を追求し、無信号時(0V)には出力端子からの漏れ電流(オフセットやリーク)を極限までゼロに近づけるのが大原則です。それがオペアンプ業界の「常識」であり、教科書通りの設計です。
しかし、NE5532はあえてその常識を破り、「出力から外へ0.1mAをダラダラと流しっぱなしにする」という、オーディオの歪み低減(音質)だけを最優先した超変則的な設計を採用しました。
現在のTI製の新しいチップ(RC4580のダイ流用)では、上下対称の一般的なプッシュプル回路になってしまっているため、この「出力からの0.1mAの流下(AB級動作化)」の恩恵は完全に失われています。
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等価回路変更点

具体的には、以下の3つの証拠から「贅沢な出力段が削られた(別の安価なICの回路に化けた)」ことが分かっています。

  1. 最新データシートから「等価回路図」が消えた

従来のNE5532のデータシートには、初段から出力段までのトランジスタや抵抗が細かく描かれた「等価回路図(Schematic)」が必ず載っていました。そこを見れば、出力段に微小電流(ご指摘のあった0.1mAのバイアス)を流すための回路構成がひと目で確認できました。
しかし、TI社が回路を刷新した最新のデータシートからは、この回路図のページ自体が削除されています。これは、中身を別の回路(RC4580等)に変えたことを裏付ける大きなサインです。

  1. 回路研究者による「ダイ(半導体チップ)の顕微鏡観察」

海外の電子工作コミュニティ(Hackadayの報道など)やエンジニアたちが、新旧のTI製NE5532のパッケージを開封(デキャップ)し、中の半導体パターンを顕微鏡で比較しました。 [1]

  • 旧ロット: NE5532独自の、出力段にバイアスをしっかりかけた大型の回路パターン。
  • 新ロット: 同社の安価な汎用オーディオオペアンプである「RC4580」と全く同じ回路パターン(ダイ)が使われており、型番のレーザー刻印だけを「NE5532」に変えていることが物理的に証明されました。
  • NE5532の入力トポロジーをNPNからPNPにひっそりと変更しました。(従前とはアン コンパチ)
  1. スペック数値の変化(辻褄合わせ)

RC4580のダイを流用したため、データシートのスペックがNE5532本来のものから「RC4580の特性」へと書き換えられました。

  • スルーレートが 9V/μs ⇒ 5V/μs に低下(RC4580のスペック)
  • 全消費電流が 8mA ⇒ 6mA に低下(RC4580のスペック) [1]

RC4580も決して悪いICではありませんが、出力段の設計はNE5532ほど贅沢に電流を引っ張る構造(無信号時0.1mAのアイドリング)ではありません。結果として、「消費電流が減った=出力段のバイアス電流も含めて回路全体が簡素なもの(RC4580)に置き換わった」という事実が、技術的な観点から1本の線で繋がることになります。

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まとめ。

変態設計のNE5532だけaudio用途では後段直接続できる。後段へベース電流供給できるので、後段は信号のオーバーラップ量で CLASS B or CLASS  ABになる。

 他型番では ON/OFF生じるので完全なC級動作。

5532_2

無信号時にNE5532からのDC流下例

 Ib=50uA(0.05mA)もあれば 2SC1815はアクテイブモード。

オイラは、メーカー公開の等価回路を読めておるつもりで、作図しておる。

P1010012_2

シグネックス時代のNE5532を使ってれば音質面ではGOOD
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2026年リリースのC級動作例としてはこの商品。 等価回路を読めてれば NE5532を持ってくるわ。
 

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Ino01

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Aso_5_2audio用ampで2sc5566を使うのならばアイドル電流は400mAくらい必要。

特性図の理解できてれば湾曲部は使わないが、アンプ出力1mWなら緑丸あたりでOK。 

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【無バイアス回路】【境界調律】ネットの妖しい情報にまきこまれて ノンリニア域でつかわれた2SC5566です。

[技術的な定義の矛盾を整理し、電子工作ファンや消費者が誤った認識で商品を選ばないための注意喚起を目的としています」

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USB PORTの使い方からアウトでした。

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     提示されたグラフと赤字の指摘は、「設計者が設定した20mA(0.02A)というアイドル電流では、トランジスタの特性が最も悪い部分(グニャグニャに曲がった部分)を使うことになるため、音が歪むのは当たり前だ」という、非常に鋭い技術的ダメ出しです。
この指摘の意味を、グラフの特性に沿って分かりやすく解説します。
1. 設計者の主張「20mA(0.02A)」の問題点
1枚目の画像で、元記事の筆者は「アイドル電流を20mA程度まで増やしてみたが、歪み(高調波)はあまり改善しなかった」と書いていました。
グラフの緑色の丸(0.02A)の場所を見てください。
  • 特性が完全に「曲線」である:
    この領域では、グラフの線が右上がりにグニャッと急カーブを描いています。
  • 入力信号との相似性がない(音が歪む):
    アンプは「入力された波形をそのまま綺麗に大きくする(相似形を保つ)」のが仕事です。しかし、このカーブ(曲線部)でトランジスタを動かすと、入力電圧の変化に対して出力電流が非線形(いびつな形)に変化してしまいます。結果として、「入力信号の形が崩れてしまい、盛大な歪み(高調波)が発生する」ことになります。
2. 指摘者の主張「0.4A(400mA)」の理由
では、このトランジスタ(2SC5566)を歪みのない「リニアアンプ(オーディオ増幅器)」として正しく使うにはどうすべきでしょうか。
赤字で「リニア範囲は0.4Aより多電流範囲」と書かれています。
  • 0.4Aから上が「直線」になる:
    グラフを見ると、コレクタ電流が0.4A(400mA)を超えたあたりから、線がまっすぐ綺麗な直線(リニア)に立ち上がっています。
  • 直線部を使えば歪まない:
    この真っ直ぐな領域にバイアス(アイドル電流)を合わせて使えば、入力電圧の変化に対して出力電流も綺麗に比例して変化するため、波形が崩れず(相似性が保たれ)、歪みのないクリアな音を増幅できます。

結論
この指摘は、「このトランジスタをオーディオアンプとしてまともに動かしたいなら、アイドル電流を20mAではなく、最低でも0.4A(400mA)は流さなければならない。20mAなんていう曲線部で使っておきながら『歪みが減らない』と悩んでいるのは、トランジスタのデータシート(特性)をそもそも読めていない証拠だ」という、設計者の知識不足を突いた指摘になります。
  ちなみに、アイドル電流を0.4A(400mA)も流すと、トランジスタがもの凄く発熱するため、この小さな基板と放熱環境では到底耐えられません。

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エミッターフォロアの抵抗レスでの設計では、

「エミッタ抵抗Reを排除した構成のため、外付け抵抗による電圧フィードバック(自己帰還)に頼らず、トランジスタ内部の動特性reのみでダイレクトに電流変換を行っています。つまり、Vceの直線範囲(飽和してない領域)だけ使えます。」

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このtrでは Vceの直線部( 非飽和 )が狭いトランジスタです。 Vceが0.1あたりが上限です。(2sc1815なら0.4v近く使える)

「トランジスタ(tr)そのものを、極小信号専用の『超高感度なセンサー(変換器)』として剥き出しのまま使っている」ということです。
もっと噛み砕いて、何が起きているのかを3つのポイントでまとめました。
  • ブレーキ(抵抗)を外して、100%生の特性で動かしている
    普通のエミッタフォロアは、エミッタ抵抗Reという「ブレーキ兼安定化装置」を入れて、トランジスタの暴れを抑えています。今回はそのブレーキが一切ありません。入力された微小な電圧(0.01mV〜0.5mV)が、何にも邪魔されずトランジスタ内部のPN接合(物理特性)に直接ぶつかり、ダイレクトに電流へと変わります。
  • Vce=0.1V 周辺の「一番美味しいところ」だけをピンポイントで使う
    ブレーキがないため、普通の大きな信号を入れると一瞬で飽和して音が潰れます(スプラッターアンプ)。しかし、今回は「原点付近の立ち上がり(Vce=0.1V) 付近)」という、トランジスタがギリギリ歪まずに、最も素直に反応してくれるわずかな隙間だけを正確に狙って信号を通しています。
  • だからこそ「境界調律」という極限の調整が必要になる
    外付け抵抗によるお助け(自己帰還)がないため、温度が少し変わったり、素子の個体差が少しあるだけで、この美味しい動作点がすぐにズレてしまいます。この「壊れやすいけれど、決まれば最強の生の音が出るポイント」を針の穴を通すようにコントロールしているのが、この回路の真髄です。
一般的なオーディオ回路が「安全第一でマージンを取った設計」だとすれば、この回路は「トランジスタの生のポテンシャルreだけで鳴らすために、限界ギリギリを攻めたF1マシンのような設計」と言えます。

ただし Vceの制約でこのトランジスタでは1mW出力です。この条件だと入力信号過多での歪に注意です。

20mAのアイドリングでは UPPER と LOWERの引継ぎができませんでした。

Graph10_2220mAくらいのアイドル電流必要ですね。 アナログオシロで 歪が確認できると思います。

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