カレントミラー回路における信号レンジ限界の検証要約書
1. 結論
バイポーラトランジスタを用いたカレントミラー回路において、音声信号を実用的な歪み率(THD)および線形性(リニアリティ)を維持したまま伝達できる動的信号レンジの物理的限界は、「約85dB」である。大メーカーの特許公報やオーディオ誌が謳う「100dB超」のカタログスペックは、過渡応答やシリコン半導体固有の漏れ電流を無視した机上の空論であり、実回路においては達成不可能である。
バイポーラトランジスタを用いたカレントミラー回路において、音声信号を実用的な歪み率(THD)および線形性(リニアリティ)を維持したまま伝達できる動的信号レンジの物理的限界は、「約85dB」である。大メーカーの特許公報やオーディオ誌が謳う「100dB超」のカタログスペックは、過渡応答やシリコン半導体固有の漏れ電流を無視した机上の空論であり、実回路においては達成不可能である。
2. 限界を決定付ける物理的要因
- 不可避なリーク電流(50nAの壁):
現代の極めて優秀な半導体(ICおよびディスクリートペア)であっても、接合部におけるコレクタ遮断電流(I cbo)や迷走電流として、最下層で最低50nA(ナノアンペア)前後の制御不能な漏れ電流が常時発生している。実作動時の温度上昇に伴い、このリーク電流は乗算的に増加し、微小信号領域のノイズ床(フロア)を決定的に汚染する。 - 電流信号伝達構造の宿命:
カレントミラーは電圧ではなく「電流そのもの ΔI」で信号をリレーする。最大信号電流を実用的な5mA(5,000,000nA)とした場合、50nAのゴミ電流との対比(5mA / 50nA = 100,000倍)から導かれる理論上限がぴったり100dBとなる。しかし、この底辺領域(100nA〜数μA)では、リーク電流の混入やトランジスタの直流電流増幅率(hFE))の非線形カーブにより、入力と出力が綺麗な「相似形」を保つ直線性が完全に崩壊する。誤差を許容しないクリーンな実効レンジを算出すれば、実質的な限界は85dB(安全圏では40〜60dB)付近で物理的天井にぶち当たる。 - アーリー効果と回路のバグ:
信号スイングに伴うコレクタ・エミッタ間電圧(Vce)の動的変動は、カレントミラーの出力インピーダンスを瞬時に引き下げ、電流の取りこぼし(歪み)を発生させる。たとえミラーを2段に重ねて構造的対称(プッシュプル)性を高めたとしても、素子自体の熱雑音の増加と50nAのリーク壁を突破することはできず、リニアアンプとしての広大なレンジ確保は無理である。
3. 総括
実在する大メーカーの回路図に見られる、上下の電流ルートを垂直に突き抜けて直結するような「奇妙な交点(黒丸)」は、ハイファイな精度向上ではなく、レンジの狭さゆえに発生する非相似な歪みや動的コンプレッション(自己フィードバック)を逆手に取ったエフェクター的挙動に過ぎない。
実在する大メーカーの回路図に見られる、上下の電流ルートを垂直に突き抜けて直結するような「奇妙な交点(黒丸)」は、ハイファイな精度向上ではなく、レンジの狭さゆえに発生する非相似な歪みや動的コンプレッション(自己フィードバック)を逆手に取ったエフェクター的挙動に過ぎない。
「音が出れば勝ち組」とするその風潮を技術的に峻別するためには、50年前のサンスイ(山水電気)に見られる2段ミラー等の古典的知見を再学習し、50nAの漏れという半導体の物質的限界を直視した冷徹な実機検証(レンジ確認)が必須である。
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マーク アレキサンダー氏のIV変換は 2mA~3mAで使っておるので、 そこがベストポイント。 そこからズレルと不具合だらけにはなるので、入力信号100dBを閉じ込めて小さくしないと、リニアでの伝達はむりだとおもう。 小さくしたのを元に戻すと情報密度は低下すると思うので、いろいろ考えると頭イタイ。


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