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2026年10月17日 (土)

NE5532は無信号時に微小電流(100uA)を出力流下する。直結後段トランジスタはCLASS A 可能

「本稿は、議論の的となっているNE5532について技術的な観点から整理・考察し、電子工作ファンへ客観的な事実を伝えるためのものです。」
過去情報の再掲
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 オイラは「NE5532では無信号時に微小電流(100uA)を流下」は2023年時点で知っていたが、 どうやら japanese audio diy ではほぼ知られていないので、写真で再度公開する。

P1010012

測定は下の基板を使った。 ブートストラップ抵抗端の電位を診た。

5532x

P1010022

561ae03cf0d0331db690cca82536dc5cNE5532からの漏れ電流100uAをトランジスタバイアスに使った回路(TRはCLASS  A動作)。 JF1OZL基板で採用中。 100uAなので150mWクラスのTRはフルドライブできる。

1815

Ib=100uAなら Vbe=0.7V程度なので CLASS Aで2SC1815は動作する。

NE5532への供給電圧をあげていくとNE5532からでてくるバイアス電流は増える。2SC1815のパラレルなら NE5532に12Vほど掛けて流下電位を確認して使う。

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5532_3

284v5

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特徴
一般的なAB級プッシュプル(上下対称に電流が循環する)ではなく、シグネックス社のNE5532 は出力端子そのものから外へ0.1mAが流れ出る(流下する)特殊なバイアス構造(変態設計)になっています。
なぜそのようになるのか、オリジナルの内部回路(等価回路)の仕組みは以下の通りです。
無信号時に出力端子から微小電流0.1mAが流下する理由
オリジナルの等価回路を見ると、よい意味で変態なOP AMPです。

55322_3

  1. 無信号(0V)のとき:
    出力段の下側では、常に「0.1mAの電流を下に引っ張ろう(吸い込もう)」とする回路が待ち構えています。
  2. 電流の供給元:
    しかし、出力段の上側にあるプッシュプル用のトランジスタ(ダーリントン接続されたエミッタフォロア)は、この下側の吸い込み(シンク)に対して、完全にバランスが取れるような対称回路になっていません。
  3. 結果としての「にじみ出し」:
    結果として、この内部のアンバランス(バイアス)を保つために、出力ピン(Output)側から外部の負荷(またはグラウンド)に向かって、約0.1mA??(100μA)の電流が文字通り「ソース電流」として常に外部に溢れ出ていく状態が作られます。
オーディオにおけるこの設計のメリット
この「出力から常に0.1mAが流下している」という一見奇妙な設計こそが、NE5532の伝説的な音質の良さの秘密でした。
 
  • 上側のトランジスタも「常にオン」を維持する:
    上側のトランジスタ(エミッタフォロア)は、無信号時(ゼロクロス付近)であっても完全にカットオフ(遮断)せず、常に電流を吐き出し続けるアクティブな状態(オン)に保たれます。
  • 下側のトランジスタ「常にオン」で機能している:

  • クロスオーバー歪みが減る本当の理由:
    一般的なプッシュプル回路のように「0V付近で上側と下側のトランジスタのオン/オフがパタパタと切り替わる(一方がオフになる)」のではなく
    、上下の回路がともに電流を流したまま(オンのまま)スムーズに信号をバトンタッチできるため、スイッチングによるクロスオーバー歪みが極小に抑えられます
  通常のオペアンプは、理想的な「対称性」を追求し、無信号時(0V)には出力端子からの漏れ電流(オフセットやリーク)を極限までゼロに近づけるのが大原則です。それがオペアンプ業界の「常識」であり、教科書通りの設計です。
しかし、NE5532はあえてその常識を破り、「出力から外へ0.1mAをダラダラと流しっぱなしにする」という、オーディオの歪み低減(音質)だけを最優先した超変則的な設計を採用しました。
現在のOPA1602では「NE5532のような出力からの0.1mAの流下(AB級動作化)」の恩恵は完全に失われています。

まとめ。

変態設計のNE5532だけaudio用途では後段直接続できる唯一ノデバイス。

後段へベース電流供給できるので、後段は信号のオーバーラップ量で CLASS B or CLASS  ABになる。

 他型番では ON/OFF生じるので完全なC級動作。

5532_2

無信号時にNE5532からのDC流下例

 Ib=50uA(0.05mA)もあれば 2SC1815はアクテイブモード。

オイラは、メーカー公開の等価回路を読めておるつもりで、作図しておる。

P1010012_2

シグネックス時代のNE5532を使ってれば音質面ではGOOD
 
 
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2026年リリースのC級動作例としてはこの商品【境界調律の基板】。
等価回路を読むチカラがあれば NE5532を持ってくるしかないのは自明。
 【境界調律の基板】Q103,Q104は無バイアス。  Q103が動くためにはQ103のベースは正電位。 Q104が動くためにはQ104のベースは負電位。 Q103とQ104のベースが直結です どうすればQ103とQ104は動くでしょうか?

43530_14

ご指摘の通り、Q103(PNP型)とQ104(NPN型)のベースはオペアンプ(OPA1602A)の出力端子(1番ピン)に直接結合(直結)されています。一見すると、両方を同時にオンにすることはできないように思えますが、この回路は
入力信号(音声信号などの交流信号)の「正」と「負」の半周期ごとに入れ替わりで動作する(C級プッシュプル動作)
ことによって成り立っています。
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仕組み:交流信号による「入れ替わり動作」
この回路では、無信号時(入力が0Vのとき)はQ103もQ104も完全にオフ(お休みモード)になっています。awake(起きる)までの信号は出力されないメリットがあります・ 正→負に変わる際にも信号が出力されないゾーンが存在します。
1. 無信号時:完璧な「お休みモード」
入力信号が0Vのとき、Q103もQ104もベース電圧が足りず、完全に眠っています。
  • メリット: トランジスタに無駄な電流が1ミリセカンドも流れないため、発熱がほぼゼロになり、非常に省電力になります。また、無信号時の「サー」というホワイトノイズ等も遮断されやすい特性があります。
 
2. 信号が出力されないゾーン(不感帯)の発生
入力信号が動き出しても、電圧が 「-1V 〜 +1V」の間の領域 にあるときは、Q103もQ104も起きることができません。
  • 正から負へ切り替わる瞬間: プラスの波が終わり、電圧が+1Vを下回った瞬間にQ104が眠りにつきます。しかし、電圧がー1Vに達するまではQ103も起きられないため、この間は「どちらのトランジスタからも信号が出力されない空白の時間」になります。
 
3. 信号が十分に大きくなったとき(awake:起きる)
電圧がこの「信号が出力されないゾーン」を突き抜けると、ようやくトランジスタが目を覚まします。
  • 信号が +1V を超えたとき: Q104(NPN)がカチッと起きて、プラス側の電流を力強く流します。
  • 信号が -1V よりも低くなったとき: Q103(PNP)がカチッと起きて、マイナス側の電流を力強く流します。
 

 この回路が抱えるジレンマ
このように、この直結回路には明確な特徴があります。
  • メリット: 狙い通り、無信号時や微小なノイズに対しては完全なシャットアウト(お休みモード)ができる。
  • 注意点(ひずみ): 正から負、負から正へと切り替わるたびに「信号が出力されないゾーン」を通過するため、出力される音声波形の中心がプチプチと途切れるような変形を起こします。これをオーディオ用語で「クロスオーバー歪み(ひずみ)」と呼びます。

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・QUAD405 は 「OP AMP + 有バイアストランジスタ」で B級増幅。

・【境界調律の基板】は 「OP AMP + 無バイアストランジスタ」で C級増幅

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