DSPでもステレオLR分離で40dBを超えられない訳。
DSP(デジタル)がアナログのLR分離に負ける理由
高級アナログチューナーが 60dB〜70dB以上 という驚異的なセパレーションを実現していたのに対し、安価なDSPチップや一般的なデジタル処理では50dB前後で頭打ちになることが珍しくありません。
これには以下の「DSP側(デジタル処理側)」の構造的な要因があります。
1. 演算精度の限界と丸め誤差 DSPでのステレオ復調は、19kHzのパイロット信号に同期した38kHzの副搬送波を「計算」で生成し、和信号(L+R)と差信号(L-R)を掛け合わせる演算を行います。
固定小数点演算の限界: 低コストなDSPでは16bitや24bitの固定小数点で処理されることが多く、計算の過程で発生する丸め誤差が微小な差信号の精度を落とし、結果としてL/R間の漏れ(クロストーク)を誘発します。14-3-4.pdfをダウンロード
- 標本化の制約: デジタル化する際のサンプリング周波数(例えば44.1kHzや48kHz)が、38kHzの位相と完璧に整合していないと、復調時にわずかな位相ズレが生じます。アナログ回路は物理的な連続信号としてこれを処理しますが、デジタルでは「近似」になるため、分離能力の物理的限界が早めに来てしまいます
対してアナログの名機は、厳選された素子のマッチングや、位相補正用のトリマ調整などを熟練工が追い込むことで、理論値に近い分離度(70db)を実現していました。
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- ディスクリート構成による徹底分離: IC内部でL/Rを処理するのではなく、個別のトランジスタや部品で回路を組むことにより、IC内部のシリコン基板上での漏れを物理的に遮断しました。
- 物理的な「追い込み」調整: 製造ラインにおいて、熟練の技術者がトリマコンデンサや半固定抵抗を手作業で回し、19kHzのパイロット信号と38kHzの復調用信号の位相を完璧に一致させていました。この「コンマ数度の位相合わせ」が、デジタル演算では困難な超高精度の分離を生みます。
- 専用回路の採用(例:DLDL、アクティブ・ステレオ・デコード):
- ケンウッド (L-02Tなど): 「DLDL (Direct Linear Loop Detector)」技術を用い、復調時に発生する歪みを極限まで抑え、結果として高いセパレーションを維持しました。
- テクニクス (ST-G90など): デジタル信号処理に近い精度をアナログで実現する独自のデコーダーを搭載し、高域までフラットな分離度を誇りました。
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- パイロット信号キャンセル回路の搭載
- 復調の邪魔になる19kHzのパイロット信号を、逆位相の信号をぶつけることでIC内部で除去しています。これにより、音声信号への干渉が減り、分離精度が劇的に向上しました。
左右独立のセパレーション調整が可能
- 多くのICがL/R一括調整だったのに対し、
LA3381は外付け部品により LとRを個別に追い込む ことが可能です。IC製造時の微妙な個体差や周辺回路のアンバランスを現場で補正できるため、カタログ値通りの性能を引き出せました
高域の位相特性の改良
- 従来のICでは高域になるほど位相がズレて分離が悪化していましたが、
LA3381は高域(10kHz付近)でも歪みを抑え、高い分離度を維持できる設計になっていま
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DSP技術もってきてもLR分離はMAXで50dBしかない (DSPだから分離が良い と騙されるのはご自由にお願いします)
RDA5807は LR分離はわずか30dB.
SI4831は LR分離はわずか42dB.
DB45 FMラジオレシーバ(DSP 現行販売品)のLR分離が 50dB
DSP-AX459(DSP 2006年発売: YAMAHA)が LR分離 42dB.
M-CR612(マランツ 現行品)でも LR分離 42dB.
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まとめると、
真空管式 MPXより劣る分離度のDSP チューナー。
数値が示すように60年前の技術に勝てない DSP FMチューナー。 存在価値が薄い商品だね。


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