Wingspread plot :「クロスオーバー歪みの視覚化」。「クラスABアンプの出力段設計ツール」

Wingspread plot(ウィングスプレッド・プロット:翼幅プロット)とは、オーディオアンプの設計、特にクラスAB(Class-AB)プッシュプル出力段における「クロスオーバー歪み」の視覚化と、最適なバイアス電流(アイドリング電流)を決定したい場合に用いられるシミュレーション上のプロット手法です

2011年公開の設計手法です。2011年に発行された彼の著書『Designing Audio Power Amplifiers』(第1版)です

Wing2

Bias

視認的には ここがいい。

「Bob CordellのWingspread plot」で検索。

📅 正しい時系列と歴史
  • 2010年〜2011年(広く一般に公開):
    Bob Cordell氏がアンプ設計のバイブルとなる書籍を執筆・出版し、その中でLTspice等のシミュレータを使ってクロスオーバー歪みを視覚化する「ウイングスプレッド・プロット」の具体的手法を明かしました。
    [1, 2]
  • それ以前(起源):
    アンプの出力段ゲインを電流に対してプロットして歪みを評価する「概念」自体は、1970年代〜1980年代のオーディオ黄金期に、Douglas Self(ダグラス・セルフ)氏やその他の研究者たちによって、歪みの基礎研究として論文等で扱われていました。しかし、それを個人がPCで簡単にシミュレーションできる形にし、「ウイングスプレッド・プロット」という親しみやすい名前で定着させたのは、2011年のBob Cordell氏の本(およびその前後に海外の自作オーディオフォーラム「diyAudio」などで本人が解説した書き込み)です

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📊 ウイングスプレッド・プロットの概要と目的
クラスABアンプの出力段では、信号がプラス側(NPN側)からマイナス側(PNP側)へ切り替わる「ゼロクロス点(Crossover point)」付近で、出力段の有効出力インピーダンスが変化します。これにより、負荷に対するゲイン(増幅率)が微妙に変異し、クロスオーバー歪みが発生します。 [1]
ウイングスプレッド・プロットは、以下の関係性をグラフ化します。
  • 横軸(X軸): 出力段から負荷へ流れ込む 「出力電流(または出力電圧)」
  • 縦軸(Y軸): 出力段の 「ゲイン(伝達利得:ΔVout /ΔVin)」 [1, 2]
🔍 グラフから読み取れること(バイアス電流の最適化)
理想的なアンプのゲインは「1(Unity)」で常にフラットですが、実際のトランジスタアンプではバイアス電流(アイドリング電流)の設定によってプロットの形状が大きく変化します。 [1, 2]
  • 最適バイアス(Optimum Bias):
    中央(クロスオーバー領域)から両翼(大電流領域)にかけて、ゲインの落ち込みや突き上がりが最も少なく、全体的に最も平坦(フラット)な状態になります。これを見つけるのがこのプロットの最大の目的です。
    [1, 2]
  • アンダーバイアス(Under-biased / 不足):
    中央(ゼロ電流付近)で両側のトランジスタが共にオフ気味になり、中央が深く凹んだ形状(谷型)になります。これは激しいクロスオーバー歪みを引き起こします。
  • オーバーバイアス(Over-biased / 過剰):
    中央で両方のトランジスタが同時に強くオンになる(重なり合う)ため、中央だけゲインがピコッと跳ね上がった形状(山型)になります(gmダブリング現象)。
    [1]

💻 SPICE(LTspice等)でのシミュレーション方法
Bob Cordell氏の手法では、単純なDCスイープ(直流解析)ではなく、以下のようなテクニックを用いて綺麗なウイングスプレッド・プロットをシミュレーションします。 [1, 2]
  1. 回路のセットアップ:
    評価したい出力段回路(エミッタフォロワなど)を用意し、入力に大きな振幅の低周波(またはDCシグナル)を印加して、出力電流が正負に大きく振れるようにします。
  2. ゲインの抽出:
    シミュレーション上で dV(out)/dV(in)(入力電圧に対する出力電圧の微分=局所ゲイン)を計算させます。
  3. プロットの変更:
    プロット画面の横軸(デフォルトは時間や入力電圧)を、「負荷に流れる電流 I(Rload)」 に手動で変更します。
    [1, 2]
これにより、電流の変化に伴ってゲインがどのように変動するかがひと目でわかる「鳥の翼」のような美しいウイングスプレッド・プロットが完成します
 
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あと10年後には トランジスタ技術 あるいは MJで解説でるだろう。
Ltspice愛好家からもでるだろう。
2C1384のシミレーションでは90mAあたりがベスト。 左軸のmは 倍率(マルチプライヤ)の頭文字

Graph7

21384

Vbe -Ic 特性図からリニアなところでアイドリング電流を決めて作図させる。

Classesofpower

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【境界調律】「俺だけ音質アップな基板」のように アイドル電流20mAの2SC5566

Graph10

Vbeの電圧増減に対して【境界調律】基板のアイドル電流(20mA  赤線)では相似性がない。100mAは流したい。できれば400mA前後。

【境界調律】「Innocent Key」「俺だけ音質アップな基板」はシミーレーションでも歪がでるバイアス設計なことが推測される。

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「エミッターフォロアからヘッドホン等」の負荷具合をみると、インピーダンスと相が回っておることがシミレーションでもわかる。

Graph11

抵抗レスにすると この動的負荷をドライブするのでVceがあばれまくり、結果リニア性はうしなわれる。

シミレーションではたまたま100HzでのZが高いが、 「アンプのドライブ能力大小起因で空気中に伝搬される音量は逆特性」になる。 これが理解できないなら 先々困るよ。

1. ドライブ能力が「小さい」アンプ(出力インピーダンスが高い場合)
アンプの出力インピーダンス(Ro)が高く、例えば Ro = 32 のような状態を想定します。
  • エネルギー量の観点からの真実: 100Hzの山では、逆にエネルギー(電力)が激減して音が痩せます。
  • 理由: ヘッドホンが空気中に音のエネルギーを放射するためには、電圧だけでなく、電流との掛け算である「電力(ワット)」が必要です。100Hzでインピーダンス(Z)が100オームまで跳ね上がると、回路全体の抵抗が大きくなりすぎて、流れる電流Iが極端に細ってしまいます。電力が激減するため、振動板を強力にプッシュする物理的なエネルギーそのものが消失します。
  • 結果として: 電圧がいくら分圧で高く見えても、空気中に伝搬される実際の音量(エネルギー)はスカスカに痩せ細る(逆特性になる)という、冷酷な物理現象が起きます。

2. ドメイン能力が「大きい」アンプ(出力インピーダンスが極小の場合)
エミッタ抵抗を0.1オームに下げ、強力なNFBでアンプの出力インピーダンスをほぼゼロ(Ro=0)に固定した「定電圧駆動」アンプです。
  • エネルギー量の観点からの真実: 100Hzの山(100オーム)に、必要最小限のエネルギーだけを正確に送り込み、フラットにコントロールします。
  • 理由: アンプ側の出力インピーダンスが ゼロ0 であれば、ヘッドホンのインピーダンスが 32オーム から100オーム に増えたとき、アンプは出力電圧Vを完全に一定にキープします。このときの負荷(ヘッドホン)が消費する電力エネルギーは P =V*V/Z になります。Z が3倍(100オーム))に増えるため、アンプからヘッドホンに供給される電力(エネルギー)は「3分の1」に自動的にセーブされます。
  • 結果として: 100Hz(fo)という場所は、振動板が最も揺れやすい(=小さなエネルギーで大きな音が出る効率の良い)共振ポイントです。効率が3倍良くなる場所に対して、アンプ側がエネルギー(電力)を正確に3分の1に減らして供給するため、【 効率 3倍 】×【 エネルギー 1/3 】= 1 となり、空気中に伝わる音量が初めて完全にフラット(相似性が保たれた状態)になります。

3. ハイパワーアンプ(50Wクラスの圧倒的なパワー・エネルギーを持つ場合)
ヘッドホンアンプの枠を超え、50Wクラスの巨大なパワーリザーブ(エネルギー貯蔵庫)を備えたモンスターアンプです。
  • エネルギー量の観点からの真実: 100Hzの山(Z=130)という高いインピーダンスの壁が電流を阻止しようとしても、アンプ側が持つ圧倒的なパワー(50W〜)によって、その壁を力任せに完全に突き破り、振動板を強引にねじ伏せて完全支配します。
  • 理由: 50W以上のハイパワーアンプは、出力できる「電圧(V)」の最大値(ヘッドルーム)と「電流(I))」の供給能力が桁違いに巨大です。インピーダンス(Z)が3倍に跳ね上がって電流を絞ろうとする障害物(壁)を作っても、アンプ側がその壁を遥かに超える高電圧の圧力(エネルギーリザーブ)をかけることで、必要な電流(エネルギー)をスピーカーやヘッドホンの奥底まで強引に押し流し続けます。 100Hzのインピーダンスのうねりは、この巨大なエネルギーの奔流の前には単なる「わずかな段差(誤差)」へと変わり、エネルギーの供給は1ミリも滞りません。
  • 結果として: 共振による効率云々の繊細な計算をすべて超越した「圧倒的なパワーの暴力」によって、負荷を完全にアンプの制御下に置きます。どれだけインピーダンスチャートが激しく波打っていようが、それを力技でフラットなリニア特性へと強制的に調律し、重低音の凄まじいアタック(アグレッシブな相似性)をそのまま空気中に叩き出すことができます。

🏁 総括
  • 1(小さいアンプ):インピーダンスの壁に負けてエネルギー不足になる。
  • 2(大きいアンプ):インピーダンスの壁に合わせてエネルギーを賢くセーブ(調律)する。
  • 3(50Wハイパワー):インピーダンスの壁を圧倒的なエネルギーで粉砕(ねじ伏せ)する。

エネルギー量視点では、要求される空気伝搬機器の定格にたいして静的で20倍、動的に510倍のエネルギーを供給できれば、空気伝搬機器固有のZの壁は無視できる。 

 510倍は苦しいので、静的なZ壁の抑えこみするなら20倍で空気伝搬機器をドライブするとHI-FIに近づく。

H-FIで聞きたいならハイパワー化するのは電気物理面では至極当然なことだ。これがパワーリザーブ論に関連してくる。

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ハーバード大のホロウィッツ教授も「アナログ増幅器(アンプ)としてリニアに動かすなら、BJTは『活性領域(Active region)』で使わなければならない」と明確に教えています。本の中でも「活性領域(Forward-Active)の条件は (Vc > Vb > Ve) である」と基本ルールを定義しています。

1,つまり素で使うならVce-Ic特性図の原点に近い側でつかえ。(1974年公開物参照,対象はbjt)

2,抵抗をかましてつかうなら、下のように成立する。

Tran6_2

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